4日目:不幸な美少年と、私の妄想
4日目
ぐっすり眠れました。
睡眠って本当に大切なのだと実感しました。人一倍、睡眠をとる私ですがこれからも継続していきたいと思います。
さて、この日は午前中シェーンブルン宮殿へ行きました。
こんにちは、シェリーメイよ♪
ここはね、シェーンブルン宮殿。
バロックとロココ様式を持つ宮殿よ。王家の夏の離宮として使われていたの!
宮殿はマリアテレジアが愛した色で塗られているのよ?
…と今回は趣向を変えて、こんな風に書きましたが飽きたのでやめます。よく考えたらシェリーメイそんなに好きじゃなかった。
マリアテレジアの話は、想像より壮絶でした。仕事と出産を同時進行で行っている時点ですでにすごいのですが、なんと16人の子供を産んだそうです。しかも毎年一人のペースで。
そのストレスやホルモンの関係からか、亡くなるときは身長160センチに対し、体重が120キロもあったそうです。最後にマリアテレジアの家族の集合写真が飾っているのですが、11人しか子供が写っていません。昔は乳幼児の死亡率が高かったため、すぐに亡くなった子供もいたそうです。なかには生まれたその日に死んでしまった子供もいたとか。
しとしとと雨が降っている中、宮殿の中へと入っていきます。宮殿内は撮影が禁止されているため、目に焼き付けます。気になる方はぐぐるか、実際に行ってみてください。
↑入口。この先にあるゲートをくぐってからは撮影禁止。
ここの宮殿、オーストリアでは名所と呼ばれるところです。「オーストリアで行ってみたい観光地ランキング!」と載っていたら、ほぼ間違いなく三位以内に入ります。
その名声に劣らず、中も豪華絢爛でした。写真が撮れなかったのが惜しい。
宝石をちりばめられたシャンデリア、真紅の絨毯、巨大な宗教画など…
「ゴージャスな部屋を想像して!」と言われたら、ほとんどの人が考えそうな部屋でした。
ここもガイドさんに着いていく形をとったため、印象に残ったところまで抜粋。
まずはナポレオンの話。
途中でナポレオンが実際に泊まった部屋を見ることができました。私が印象に残ったのは彼ではなく、彼の息子―――ナポレオン2世です。
彼は不幸な人生を歩みます。父親のナポレオンは島流し、母親はイタリアへ強制送還されます。そして息子はこのシェーンブルン宮殿で幽閉という形をとられ、肺炎で若くして亡くなってしまう。
なにその乙女心をくすぐる設定は。
あ、ナポレオン好きな方や、歴史を深く愛している人はブラウザを閉じてください。全力で不謹慎なことを言おうとしています。
まず両親からの愛を注がれなかったという人生。彼の身になるとかわいそうな話ですが、乙女側からしたら萌えポイントをくすぐります。
そして美少年ときました。不幸な美少年! 漫画で見たことあるやつ!! ベルバラかっての!!
しかもこの部屋には、彼が飼っていたヒバリのモチーフが。
設定が完璧すぎる。
ヒバリって。
わかりますわかります。場所はシェーブルン宮殿の中庭。抜けるような青空のした、彼には広すぎる敷地に座るんですね。
そこには「なぜ僕はひとりっぼっちなんだろう…」と、ヒバリに話しかける美少年の姿が。そしてコホコホと小さく咳をします。「最近、苦しいんだ…」と誰にも相談できない少年は、さびしそうに呟きます。肺炎という病気が彼を少しずつ蝕んでいることも知らずに……。
※すべて妄想です
ガイドさんのわずか5分くらいの説明でここまで想像できました。なんだか大半の人が引いている気がしますが次へいきましょう。
次に紹介されたのはある王様の絵画。
ガイドさん「彼は頭も体も弱かったので早々に王位をとられました」
私「酷い言われようだ」
ガイドさん「ちなみに80歳近くまで生きました」
私「なげえ!」
80歳近くまで生きる人を、体が弱いと言わないと思う……
そんなことを思っているとガイドさんは話を続けます。
ガイドさん「ちなみに彼の奥さんは、彼の看病に生涯を捧げました」
それを聞いたとたんに「もったいない」と呟きました。するとガイドさんが苦笑したので、首をかしげると説明してくれました。
ガイドさん「私も昔は『かわいそうな人生ですよね』と説明していたんですが、あるオジサンがこう言ったんです
『立派だのう』って
確かにかわいそうという見方もありますが、それだと彼女の生き方を否定してしまうと思いました。その日から私は皆さんの解釈に任せることにしたんですよ」
なるほど、と納得いく部分と腑に落ちない部分が半々くらいでした。
確かに「かわいそう」とひとくくりにするのは人生を否定する言葉かもしれません。しかし「立派だ」と褒めることが、彼女の人生を肯定していることになるのでしょうか? 生涯を夫の看病に捧げるって並大抵の覚悟じゃできないと思います。しかしもし彼女が違う健康的な男性と出会っていれば、その看病の時間を自分のために使えたはずです。もし~なんて言ってたらキリがないですが、違う人生だったら幸せだったかもと思わせる時点で「かわいそう」だと感じるのです。それを無視して、立派だと言うのはあまりに綺麗ごとすぎる。
だからお客さんに解釈を任せたガイドさんの判断は、とても正しいと思いました。ていうか、そんな夫に人生費やす時点で、単純にかわいそう。
と、まあ…ここまでダラダラと書き連ねましたが
王様の名前を覚えとけよ
というツッコミを自分にしたいと思います。一文字も覚えていません。
シェーブルン宮殿を回ったとは自由時間が設けられました。私たちは宮殿裏にあるグロリエッテという高台に行ってみることにしました。
さびれた風景を横目で見ながら歩いていきます。今は閑散期ですからね。見るからにやる気がないのが伺えます。
グロリエッテまではゆるやかな坂道が続いているのですが、これがキッツい!
一応、中高6年間バスケ部という肩書をもっていますが、それも4年も前のこと……
え、4年も経ったの?(驚愕)
ゼーハー言いながらのぼっていきます。
そして何とかたどり着いたグロリエッテ!景色は最高でした。
シェーブルン宮殿越しに、オーストリアの街並みを眺望できます.こう見るとヨーロッパの街並みって本当におしゃれですよね。歴史あふれる、教会もあふれてる。
満足するまで景色を見たら、さあ下山です!
私「しあわせはーあるいてこないーだからあるいていくんだねー」
友「どうしたの?」
私「つらくなったら、いつもこれ歌ってる」
帰国したら運動しようと思います。
そのあとはバスに乗り込み、車内でガイドさんの話に耳を傾けます。モーツァルトの銅像の前には、ト音記号の形をしたお花が飾られているそうです。見たい!と思ったのですが、冬は飾られてないことが多いとか。閑散期め。
降りた後は自由時間です。てかまだ半日しか経っていなかったのか。とりあえずお腹がすいたのでパルメンハウスというお店へ向かいます。
パルメンハウス
元々王宮の一部で、温室として使われていたレストランです。
中に入ると植物がたくさん植えられております。隣には蝶々園もありました(有料)
「すごーい」と言いながらメニューを開きます、が!!
細けえ!!
地元民にも優しくない細かさで文字が書いてあります。観光客の私たちが難なく読めるわけがありません。とりあえず無難な朝食セットみたいなのを頼んでおきました。ちなみに今は昼食のつもりでレストランに来ています。
話が少し飛ぶのですが、朝食はすべてホテルで食事しています。驚くのが、ほとんどのホテルが提供する朝食がほぼ同じということ!
どこもビュッフェだったのですが、だいたい提供される食事が同じです。
いや日本のホテルも一緒じゃね?と反論されそうですが、ちょっと違うんですよ。確かに日本のホテルも海苔とか卵焼きとか一緒なこともありますが、「ああ、このホテルのビュッフェはこういうのを出すんだな」と別々に認識できます。ちゃんと個性がある。
しかしヨーロッパのホテルは「あれ、この料理、昨日のホテルと一緒じゃね?」とデジャブ感が強いんです。
なんでかなと考えたんですが、たぶん日本の朝食ってひと手間くわえられてることが多いんですよね。たいしてヨーロッパは素材をそのまま提供しています。その違いかなと。
以上、私の考察でした。
そしてこのレストランで出された朝食を見ての第一印象は「ホテルと一緒のやつや!」でした。もうどこも一緒なんだね(結論)
卵が半熟で美味しかったです。値段は忘れましたが1000円以内だったのは確かです。場所が素敵なところなので行ってみてもいいかもしれません。メニューはマジで読みづらいので注意です。
これが食べ終わったら王宮です。わりと てんこもりだけど私は書けるのでしょうか?
ちなみに私は途中で力尽きるに2万円をかけたいと思います。