記憶屋 / 織守きょうや
久々に小説を読みました。
社会人になり1週間。愚痴めいたことも言いましたが、周りに恵まれ楽しくやっております。守秘義務のため内容は書きませんが、がんばれそうな気がする、とだけでも言っておきましょう。
さて、いきなりですが
私、企業がつくった映像やエピソードってあまり好きじゃないんですね。「はいはいカンドーカンドー」って手をパンパン叩くようなやつなんです(ひねくれている)
でも今日は、社員の人の想いに触れ、柄にもなく感動してしまいました。変に飾らず、ただ事実を紡いでいたほうが胸に迫るものがあります。
書いていて思い出すのは長崎への修学旅行。第二次世界大戦の体験者にお話を聞いていました。「原爆の悲惨さ」を淡々と語っていたおばあさんを見て、胸が苦しくなったことを思い出します。
おそらく泣きながら話されても、私は眉をしかめるだけだった。
今考えると、
何かを語るとき、話し手は聞き手より盛り上がってはいけないと思いました。
どんなに演技が上手な人が語っても、聞き手は白けてしまうのです。
でもそれは語りの話です。
小説は違うんだよバーーーーローーーーー!!!
というわけでいきましょう。
ここから下はネタバレ、愚痴の嵐です。注意!!
久々に読んだ小説が外れって悲しすぎる。「本屋店員が選んだ!」というキャッチコピーに騙されました。
話が変わりますが、芥川賞とか直木賞とかにランクインした小説を、片っ端から読んでいた時期があったんですね。しかし、どれもつまらなかった思い出があります。私の理解の遅さかな?とも思ったんですが、ランクインした作家のほかの作品は楽しく読めるんです。ランクインした小説だけ、ことごとくつまらない。
しかし「本屋大賞」はかなり面白い作品がランクインしてるので、信頼性が高いんですね。
だから信じて買ったらこれだよ!!!!!
まず状況説明だけになってることが気になりました。
プロットをそのままなぞってるだけといいますか…
私の読書法として魅力的な表現があると、ページの端を小さく折るんですね。はい、こちらの小説1ページも折りませんでした。
比喩表現とか、独特な言い回しが全くないんですよ。新聞じゃないんだからさ!!
ストーリーがいいかと問われると、うーんという感じが……
記憶を消してくれる「記憶屋」がいる、っていう設定は面白いと思います。しかしいかんせん一つ一つのエピソードが単調で、物足りなさが残ります。読み終わったあと「はて、どんな話だったかな?」と首を傾げちゃうような感じです。
あと無理やり感動系に持っていっているのが気に入らない。「好きな人が自分の記憶を忘れた」「不治の病気」「記憶屋が抱え込む罪」みたいな…最後はまぁ見せ場だからいいとして、他のところは何番煎じかな?といった感じです。
もちろんよく見る設定でも感動するものはあります。それは登場人物や言い回しが魅力的だからこそ惹きつけるものがあるからであって、事実を述べるだけの小説じゃなんの感動も生まないんだよ!と怒ってやりたいです。
泣ける!
という陳腐なコピーにだまされました。だまされました方も悪いんだけどさ…もうちょっと「これ読んでよかったな」 と思わせる何かがあってもよかったと思う。
唯一のメリットは、何も考えずに読めるので、暇つぶしにはいいかもしれません。
ちなみに購入したこちらの小説
メルカリに出品中です。
欲しい方はご一報ください。
購入した次の日に出品したのは流石にはじめてです。